2016.8.9更新
リオ五輪1日目ハイライトの中居正広について。
ありがとう
SMAPの「ありがとう」は想像以上にしっくりきていて、四年前のオリンピックでも流れていたのではないかと錯覚するほどだった。なんというか、時間みたいなものを超越した「当たり前さ」があった。あらゆるひとへの感謝が番組のテーマになっていたけど、そのこと自体に、オリンピックという世界的祭典の存在意義さえもふっと乗り越えた普遍性があって、こんなふうに地に足のついた感触が、五輪関連の番組からもたらされていることに、驚きながらも安堵していた。
「ありがとう」という曲は、いつの間にか、それぐらいスタンダードな曲になっていたのだった。
中居正広さんの進行にも、浮き足立ったところがまるでなく、そのことが、ハイライトという、言ってみればダイジェストな番組であることを忘れさせる「みずみずしさ」につながっていたように思う。
落ち着いている、というのとは違う。ただ、はしゃがない。はしゃぐことで、観客の一喜一憂はやがて深刻化する可能性もはらむ。必然的に生まれる勝者と敗者は、深刻化した一喜一憂によって、ある意味、裁かれることにもなる。だから、はしゃがない。ただ、見守る。中居さんの振る舞いは、そんなふうに映った。
メダルの数がすべてではありませんが、と前置きして、日本のメダル数について語ったその声が印象的だった。
メダルの数がすべてではありませんが、という表現に、はしゃぐことのない品性と「ありがとう」があった。
相田冬ニ
※このコラムは、楽天ブックスのオリジナル企画です。