ここ数年で、こんなに印象に残るデビューを飾ったアーティストはいないだろう。大原櫻子。映画『カノジョは嘘を愛しすぎてる』で、才能を見いだされてミュージックシーンへと飛び込むヒロイン・小枝理子役を、5000人が参加したオーディションで勝ちとる。そして映画の公開に合わせ、“MUSH&Co.”(作中に出てくる理子のバンド)名義で歌手デビューも果たした。今月、映画のスピンオフ・シングル『頑張ったっていいんじゃない』のリリースが決定。今年、最も注目のニュースターと言えば、カノジョだ!
――昨年末に映画『カノジョは嘘を愛しすぎてる』でデビューした大原さん。この半年間は激動じゃなかったですか?
「そうですね。地方へライブに行かせてもらったり、MUSH&Co.としてシングルを出させていただいて……、いろんな人の支えがあったから、頑張れたんだなって改めて感じます。その中でも印象的だったのは、『ミュージックステーション』(テレビ朝日系)に出させてもらったことですね。地方ライブでできた自分の中の支えみたいなものが、この時に実感できました。“やってきてよかったな”と思えましたね」
――振り返ってみて、『カノジョは嘘を愛しすぎてる』という作品、そして小枝理子という役はどんな存在ですか?
「理子ちゃん役に応募したきっかけは、友達に“櫻子に似てるね”と言われたからなんです。でも実際に演じてみると、すごく似ている部分と、全然違う部分がありました。最近、DVDの特典映像を見たんですけど、懐かしかったですね。今やっと、客観的に小枝理子という存在を見ることができます。映画自体は、今の自分にとっても、これからの自分にとっても本当に宝物です」
――映画の中で、一番好きなシーンは?
「私の中で印象的だったのは、秋(佐藤健)と理子が部屋の中で歌うシーンです。音楽映画ならではの、音楽を通じて初めてコミュニケーションしているシーンだったので、そこはとても心に残っています」
――共演者の皆さんとも、とても仲が良かったそうですね。「この人と共演できてよかった」という人はいますか?
「佐藤健さんは、一緒にいるシーンが一番多かったので、撮影に関するいろんなことを教えてもらいました。立ち振る舞いとか、演技のアドバイスとか、とても勉強になりましたね。あと、今回女性の共演者の方が少なかったのですが、相武紗季さん(茉莉役)とは女性ならではのお話ができて、本当にお姉さんみたいな優しい人でした」
――この作品を観ると、恋をしたくなりますよね。今回、DVDが発売されますが、どんな人に見てもらいたいですか?
「ラブストーリーなので、私と同年代の人にももちろん見てもらいたいですし、少女漫画が原作で映画化になったというと若い人が観るイメージですが、意外と内容は大人っぽいです。だから大人の人が観ても、青春時代を思い出してキュンとできる作品だと思います。あと、音楽に興味のある人はぜひ!」
――そして本作のスピンオフ・シングルとして、『頑張ったっていいんじゃない』がDVDと同日に発売されます。大原さんの歌声は、青空のように広く抜けていてキラキラしているイメージですが、その歌声はこの曲でも健在ですね。今回の曲のレコーディングはいかがでしたか?
「毎回、亀田誠治さん(音楽プロデューサー)に、「新曲のイメージの色は何色ですか?」とお聞きするんです。『頑張ったっていいんじゃない』はオレンジということで、それを意識しました。またMUSH&Co.の『明日も』は小枝理子として歌いましたが、今回は大原櫻子(from MUSH&Co.)名義なので、自分のアイデアも積極的に伝えて、アドバイスをもらって歌うことが多かったです」
――どんなアイデアを伝えたのですか?
「最初に曲のデモを聴いた時は、男の子が女の子に向けて歌っているようなイメージだったので、“聴いている人を引っ張っていくような曲ですか?”と聞きました。でも歌詞を見ると、“一緒に頑張ろうよ”みたいな温かい部分、優しい部分があったので、“このフレーズは男らしく歌ったほうがいいんですか? それとも優しめに?”と亀田さんに確認して。“じゃあ、こっちで歌ってみようか”みたいなやりとりは、何度もありました」
――ちなみに大原さんの、音楽のルーツとは?
「洋楽だとレディ・ガガさん、ビョークさん。日本だと歌謡曲が大好きで、山口百恵さんや中森明菜さんをよく聞いていました。J-POPだとDREAMS COME TRUEさん、椎名林檎さんが大好きで、ノンジャンルで聴いてます」
――でも基本的に女性のボーカルが好きなんですね。
「そうなんです、女性の曲のほうが多く聴いていましたね」
――山口百恵さんや中森明菜さんは、大原さんとは世代が違いますが、どうやって知ったんですか?
「歌謡曲集みたいな番組をテレビでやっていて、一目惚れならぬ“一聴惚れ”! それでネットでいろいろ調べ始めました。山口百恵さんは『プレイバックPart2』、中森明菜さんは『DESIRE情熱』を聴いて、ハマっちゃいました」
――最後に、大原さんにとって「歌うこと」とは?
「自分の爆発であり、日常であり。練習をする時も、“歌の練習だ”と思うより、歌いたい時に歌っている感じなんです。だから、ずっと歌っていたいなと思うし、日常でもあります」