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日本財団 『これも学習マンガだ!~世界発見プロジェクト~』

スペシャル特集vol.10 ジャンル別インタビューシリーズ「スポーツ」 eスポーツプロデューサー/ゲーム監督 犬飼博士氏

ジャンル別インタビュー「スポーツ」

「これも学習マンガだ!」の11ジャンル(※)を1ジャンルごとに各ジャンルの専門家が紹介するインタビュー企画。第9弾は「スポーツ」ジャンルを取り上げます。eスポーツプロデューサー/ゲーム監督の犬飼博士氏に「スポーツ」ジャンルの選書作品の感想や、スポーツ×テクノロジーの未来についてお話を伺いました。
(※)「文学」「生命と世界」「芸術」「社会」「職業」「歴史」「戦争」「生活」「科学・学習」「スポーツ」「多様性」の11ジャンル

プロフィール

  • 犬飼博士
    犬飼博士(Hiroshi Inukai)
    eスポーツプロデューサー、ゲーム監督
    1970年、愛知県生まれ。
    つながりと笑顔を生むツールとして、ゲームとスポーツに着目。スポーツとITを融合した作品発表、大会運営等を手がける。 現代的なスポーツマンシップとしてスペースマンシップを提唱。 人工知能やシンギュラリティを巻き込んだ次世代の「遊び」を研究開発中。
  • 山内康裕
    聞き手
    山内康裕(Yasuhiro Yamauchi)
    『これも学習マンガだ!』選書委員
    1979年生。法政大学イノベーションマネジメント研究科修了。2009年、マンガを介したコミュニケーションを生み出すユニット「マンガナイト」を結成し代表を務める。
    イベント・ワークショップ・デザイン・執筆・選書(「このマンガがすごい!」等)を手がける。また、2010年にはマンガ関連の企画会社「レインボーバード合同会社」を設立し、マンガに関連した施設・展示・販促・商品等のコンテンツプロデュース・キュレーション・プランニング業務等を提供している。主な実績は「立川まんがぱーく」「東京ワンピースタワー」「池袋シネマチ祭」など。「DOTPLACE」にて『マンガは拡張する』シリーズを連載中。「NPO法人グリーンズ」監事、税理士なども務める。

スポーツか遊びかは関係ない。要は面白いかどうか

犬飼今回「スポーツ」ジャンルの専門家ということで呼んでもらいましたが、僕はいわゆるスポーツの専門家ではなく「eスポーツ」という情報社会のスポーツを専門にしています。簡単にスポーツの歴史を話すと、農耕社会の時に集団生活の中でお祭りとして始まったのがサッカー。次に工業社会になってモータースポーツが生まれました。その後情報社会になって出てきた道具がコンピューターで、そのコンピューターで遊ぶのがコンピューターゲーム。そのコンピューターゲームでスポーツをしているのがeスポーツです。

山内eスポーツを専門にしようと思ったきっかけを教えてください。

犬飼現代的なスポーツって一体何なんだろうということに子どもの頃からずっと興味があって今に至る感じですね。現代的なスポーツっていうのは今ゲームと呼ばれているものです。なので、僕はゲームの専門家でもあって、肩書きとしてはeスポーツプロデューサーとゲーム監督になります。ゲーム監督というのは、映画監督のゲーム版だと思ってもらえれば。

山内たしかにスポーツとゲームの境目って曖昧ですよね。

犬飼そうなんです。子どもは何がスポーツで何が遊びで何がゲームかなんて意識しないですよね。ただ面白いかどうかを根拠に境目なく選び取っている。そしてその遊びは今も続いていて、僕自身いまだにプレーヤーのまま永遠に遊び続けている感じです。

山内そんなプレーヤーの犬飼さんから見て、これも学習マンガだ!で選ばれた「スポーツ」ジャンルのラインナップはいかがでしたか。

犬飼まずマンガを読んでスポーツを学ぶという意味がよく分からなかった(笑)

山内(笑)。このプロジェクトには新しい世界を発見して欲しいという想いを込めていて、知らないスポーツの世界と出会って欲しいということを広義の意味で学びと捉えているんです。

犬飼なら納得です(笑)このラインナップの作品、全部良いですよね。その中でも『』は少し異質だと感じました。『』でやっていることって既存のスポーツのジャンルに当てはまらないですよね。主人公は楽しんでやっているんだけれどもハタから見ると救助活動で。仕事なのかそうじゃないのかもギリギリのところですよね。スポーツの語源って知ってます?運ぶという意味の「スポルト」という言葉があって、これは仕事を指す言葉。何かを運ぶというのが昔は仕事だったんですね。で、そこから離れることが「デスポルト」。それが略式でスポーツになった。つまりスポーツは遊びなんです。『』の主人公は今が楽しければいい、生きても死んでもいいと思っている。この状態でいられることっておそらく究極の幸せに近いんじゃないかなと。そういう状態を描けるメディアって実はあまり無くて、マンガはそれをサクッと描けるっていうかな、省略して描けちゃうのがすごいなあと。

山内確かに『』は異質ですよね。選書の際にも果して「スポーツ」ジャンルで良いのだろうかと頭を悩ませたところでもあります。『』以外の作品は読んだことがありましたか。

犬飼うっちゃれ五所瓦』だけ今回初めて知りました。この時代はこの作品の主人公のような実直で真面目で地味な人は描きにくかったと思うんです。でもいつの時代にもこういう人はちゃんといて、それを評価できるのがスポーツなんだなと。今回この作品を知ることができてラッキーでしたね。

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