フォノドロップ

評価 5.00

投稿日：2012年03月20日

興味深いお話の数々、黒人独特の考え方、人種差別の現状、食文化。
一冊の本の中に、こんなに分かり易く沢山の情報を詰め込み、尚且つ 楽しく読める本です。
所々に織り交ぜられている、高山さんの考え方にも感服致しました。無暗に相手を否定しない。どうしてそうなのか？その「背景」までをしっかり見つめる確かな目。「郷に入っては郷に従え」ではありませんが、その土地の文化を上手に受け入れ、尚且つ自分をしっかり持って生活されている様子が、文章から感じられます。ファミリーから可愛がられているのも、まずは高山さん自らがブラックカルチャーを受け入れているからだと思いました。「まずは自分から」という姿勢が、相手の心を掴んでいるように感じました。そんな高山さんの文章や表現力が、素晴らしいのです。
とてもリズムのある文体なので、リズミカルに読み進められます。
久しぶりに「興奮」した1冊でした。
言葉の持つイメージも、国によって違うという事。
何気なく使ってしまう言葉が、相手に失礼かもしれないという事。
そんな、考えてみれば当たり前の事も、この本は気付かせてくれます。
カルチャーとは、自然と生活に根付いているものだから、そのカルチャーに馴染みきっている人では、このような本は書けない。驚きや疑問を持てる、傍から眺める事が出来る高山さんだからこそ、書けた本だと思うのです。
だから、この本は「知ること」が出来る本。
ウソのない本。
アメリカ社会の現状も、黒人達の苦労も。どうしてそうなんだろう？と思っていた疑問も、「な〜るほど！」と理解出来ます。そう言われてみれば！と、目から鱗のようなお話も織り交ぜられております。
様々なジャンルからのアプローチ。
興味深いですよ。
考えさせらる本。
知ることが出来る本。
是非、多くの方に読んで頂きたい！

0人が参考になったと回答