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セクシュアル・マイノリティへの心理的支援 同性愛、性同一性障害を理解する
針間克己

2,970(税込)送料無料

商品情報

商品説明

内容紹介

●セクシュアル・マイノリティとは、同性愛、両性愛、性同一性障害など、典型的なセクシュアリティとは異なるセクシュアリティのあり方を示す人々のことをいう。セクシュアリティのありようが少数派であるがゆえに、偏見にさらされ、生きづらさを抱えることも多いため、セクシュアル・マイノリティの人たちの心理的支援へのニーズは、顕在化しにくいが多大にある。人口の数%程度を占めるといわれる彼・彼女らに、臨床の場においてもそうとは知らずに出会う可能性、もしくは出会っている可能性は大きい。多様なセクシュアリティを示す人々を理解し、受け止め、支えるための1冊。

●目次
まえがき
第 I 部 セクシュアル・マイノリティの基本概念と歴史
第1章 セクシュアリティの概念
第2章 レズビアン、ゲイ、バイセクシュアル支援のための基本知識
第3章 性のイメージーー結合と分離
第4章 セクシュアル・マイノリティの自尊感情とメンタルヘルス
第5章 精神医学と同性愛
第6章 日本における「同性愛」の歴史
第7章 性同一性障害、トランスジェンダー、性別違和
第8章 性同一性障害の概念と臨床的現状
第9章 DSM-5のGender Dysphoria:性別違和

第 II 部 セクシュアル・マイノリティヘの心理的支援の実際
第10章 児童期・思春期のセクシュアル・マイノリティを支えるスクールカウンセリング
第11童 セクシュアル・マイノリティ大学生を支える学生相談
第12章 成人期から老年期のレズビアン、ゲイ、バイセクシュアルの課題
第13章 ゲイ/レズビアンのライフサイクルと家族への援助
第14章 HIV感染症とゲイ・バイセクシュアル男性への心理臨床
第15章 性同一性障害の精神療法
第16章 思春期の性同一性障害の学校現場における対応
第17章 性同一性障害者の家族への対応

第 III 部 心理職の訓練と果たすべき役割
第18章 心理職へのセクシュアル・マイノリティに関する教育・訓練
第19章 性同一性障害・心理職の果たす役割
第20章 心理職のセクシュアリティについての価値観がセラ ピーに及ぼす影響

あとがき/索引

内容紹介(出版社より)

多様なセクシュアリティを示す人々を理解し,受け止め,支える

目次


第1部 セクシュアル・マイノリティの基本概念と歴史

第1章 セクシュアリティの概念


第2章 レズビアン,ゲイ,バイセクシュアル支援のための基本知識

LGBへの心理的支援・心理療法を行う上での前提/同性愛の性指向を異性愛へと変える「治療」について/人口に占めるLGBの割合


第3章 性(セクシュアリティ)のイメージーー結合と分離


第4章 セクシュアル・マイノリティの自尊感情とメンタルヘルス


第5章 精神医学と同性愛


第6章 日本における「同性愛」の歴史


第7章 性同一性障害,トランスジェンダー,性別違和


第8章 性同一性障害の概念と臨床的現状

第9章 DSM-5のGender Dysphoria:性別違和

1DSM-5における「性別違和」の診断基準

2主な変更点 疾患名の変更/「sex(性)」という言葉が「assigned gender(指定されたジェンダー)」に置き換えられた/性分化疾患が除外疾患ではなくなった/男性か女性かという二分法ではない/「D.その障害は,臨床的に著しい苦痛または,社会的,職業的または他の重要な領域における機能の障害を引き起こしている」が変更されている/性指向に関する下位分類が削除されている


第2部 セクシュアル・マイノリティへの心理的支援の実際

第10章 児童期・思春期のセクシュアル・マイノリティを支えるスクールカウンセリング

学校現場でのLGB/スクールカウンセラーとしてできること/児童期・思春期に肯定的なLGBとしてのアイデンティティをもってるかどうか


第11章 セクシュアル・マイノリティ大学生を支える学生相談

LGBT学生をめぐる状況/カミングアウト/学生相談とLGBT学生/学生相談室とカウンセラーの役割


第12章 成人期から老年期のレズビアン,ゲイ,バイセクシュアルの課題


第13章 ゲイ/レズビアンのライフサイクルと家族への援助


第14章 HIV感染症とゲイ・バイセクシュアル男性への心理臨床

HIV感染症におけるゲイ・バイセクシュアル男性への心理臨床/心理臨床家に望むこと


第15章 性同一性障害の精神療法


第16章 思春期の性同一性障害の学校現場における対応

思春期における性別違和/どのようなときに医療機関を受診させるべきか/親・教師に望むこと


第17章 性同一性障害者の家族への対応


第3部 心理職の訓練と果たすべき役割

第18章 心理職へのセクシュアル・マイノリティに関する教育・訓練

心理職への教育・訓練の必要性/LGBTへのカウンセリングに必要な能力/実践プログラムの紹介(米国のプログラム/日本のプログラム)


第19章 性同一性障害:心理職の果たす役割

診断と治療のガイドラインにおける心理職/心理職の専門性を活かすために


第20章 心理職のセクシュアリティについての価値観がセラピーに及ぼす影響

同性愛や性同一性障害を扱った本はそれなりにあるが,心理的支援に焦点を絞ったものは本邦では少ないものだと思われる。同性愛,性同一性障害それぞれに理由がある。同性愛は,かつて精神疾患であったのちに,精神疾患リストから外れたという歴史的経緯がある。そのため,そのメンタルヘルスについて論じることは,精神疾患との関連性を想起させるのでは,と専門家の間でためらいがあるのではなかろうか。しかし,メンタルヘルスは精神疾患のあるなしとは関係なく,すべての人間がケアすべき課題である。まして偏見の根強い同性愛者にとってはなおさらのことだと思われる。(中略)性同一性障害への心理的支援に焦点を絞った書籍が少ないのは,「性別適合手術」や「戸籍の性別変更」といった,身体治療や法的問題に注意が向かいがちだからである。もちろん,身体治療や法的問題も重要ではあるが,心理的側面も同様に重要である。特に最近では性同一性障害概念が広がりを見せており,必ずしも身体治療を求めず性別違和を訴える者も増えているので,なおさらである。本書の同性愛,LGBに関する章の執筆陣は,平田先生を中心に,現場の第一線で取り組んでおられる先生がたに担当していただけた。いずれも空疎な理論に走ることなく,実際の経験に裏付けされた,リアルな言葉で書かれた論文である。性同一性障害は一章を石丸径一郎先生にお願いし,残りの章は私一人で書かせていただいた。何人かで分担した方がよりよいものができたとも思うが,自分自身で書きたいこともたまっていたので,わがままを通させてもらった。「トランスジェンダー」としてではなく,もっぱら「性同一性障害」として論じたことは批判を受けるかもしれない。「トランスジェンダー」と「性同一性障害」の概念の関係性は,本書の中でも詳しく論じたが,平たく言えば,「トランスジェンダー」のほうが幅広く,疾患でないものも含むのに対し,「性同一性障害」はより狭く,疾患であるものを指す。「トランスジェンダーで,メンタルヘルスが悪く,心理的支援を要するものは性同一性障害となる」,というロジックで性同一性障害という言葉に統一したが,厳密には「性同一性障害には当てはまらないが心理的支援を要するトランスジェンダー」という人もいるであろう。そのあたりの議論が欠如したことはご容赦いただきたい。最後になるが,本書では同性愛と性同一性障害,あるいはLGBTをまとめて一冊の本で論じた。同性愛と性同一性障害は,共通な部分もあるし,違う部分もある。両者をともに知ることがセクシュアリティに対する複眼的視座をもたらし,その理解が広がりと深みをもつことになると信じる。本書が,メンタルヘルスに関わる人々の手元におかれ,日本の多様なセクシュアリティをもつ人々の支援の一助になれば幸いである。(「あとがき」より)

編著者略歴

針間克己

1990年東京大学医学部医学科卒業。1996年東京大学医学部大学院博士課程修了。医学博士。日本性科学学会理事。性同一性障害研究会理事。日本精神神経学会「性同一性障害に関する委員会」委員。The World Professional Association for Transgender Health(WPATH)会員。2008年はりまメンタルクリニック開院。


平田俊明

1990年米国シアトル大学人文学部卒業(心理学専攻)。1991年上智大学外国語学部英語学科卒業。1999年千葉大学医学部医学科卒業。1999年神戸大学医学部精神神経科学講座入局。2002〜2010年淀川キリスト教病院精神神経科(附属クリニック こころの診療科)勤務。2006〜2010年京都文教大学臨床心理学部臨床心理学科専任講師を経て,平カウンセリングルームにて臨床心理士として勤務,しらかば診療所,はりまメンタルクリニック等にて精神科医(非常勤)として勤務。


執筆者略歴

石丸径一郎

1999年東京大学教育学部教育心理学コース卒業。2006年同大学院教育学研究科臨床心理学コース修了。博士(教育学)。臨床心理士。GID(性同一性障害)学会理事。日本性科学会副幹事長。国立精神・神経センター勤務を経て,2011年より東京大学大学院教育学研究科講師。


葛西真記子

1990年大阪大学大学院人間科学研究科博士前期課程修了。1997年University of Missouri,Columbiaカウンセリング心理学博士課程修了(Ph.D.取得)。1997年より鳴門教育大学にて教鞭をとる。現在鳴門教育大学大学院臨床心理士養成コース教授。臨床心理士。


古谷野淳子

1978年早稲田大学第一文学部心理学科卒業。1996年より大阪府・大阪市・京都府のHIV派遣カウンセラーとして勤務した後,2008年より新潟大学医歯学総合病院勤務。臨床心理士。


柘植道子

2005年Temple大学カウンセリング心理学博士課程修了,博士(カウンセリング心理学),米国の大学カウンセリングセンターカウンセラー,一橋大学常勤講師,北里大学准教授として勤務,心理支援のほか講義「ジェンダーと心理学」「ジェン ダーとセクシュアリティの心理学」等を担当。現在一橋大学学生支援センター障害学生支援室特任准教授。


林直樹

1989年岡山大学医学部卒業。川崎医科大学附属川崎病院,(財)江原積善会積善病院勤務を経て,1993年より東京武蔵野病院勤務。現在第一診療部(精神科)部長。


松高由佳

2007年広島大学大学院教育学餅究科心理学専攻博士課程後期修了。博士(心理学)。同大学保健管理センター,同大学院教育学研究科附属心理臨床教育研究センター助教を経て,2012年より広島文教女子大学人間科学部心理学科講師。臨床心理士。

精神力動的精神医学 第5版ーその臨床実践

Psychodynamic Psychiatry in Clinical Practice,Fifth Edition.

G.O.ギャバード/著 奥寺崇・権成鉉・白波瀬丈一郎・池田暁史/監訳


精神科医,心理臨床家の座右の書として読み継がれてきた力動精神医学の記念碑的著作の最新版。わが国の精神医学精神分析の第一人者らが極めて正確かつ翻訳と感じさせない読みやすさで訳出した。力動的アプローチの導入によって人間の苦悩の理解と支援を深めるために,精神科医や心理職必携。


目次

著者について

推薦のことば

第5版への序

原典


第1部 力動精神医学の基本原則と治療アプローチ

第1章 力動精神医学の基本原則

第2章 力動精神医学の基礎理論

第3章 患者の精神力動的アセスメント

第4章 力動精神医学における治療:個人精神療法

第5章 力動精神医学における治療:集団療法,家族/夫婦療法,および薬物療法

第6章 力動精神医学における治療:複数の治療者による治療設定


第2部 DSM-5障害への力動的アプローチ

第7章 統合失調症

第8章 感情障害

第9章 不安障害

第10章 心的外傷およびストレス因関連障害,および解離性障害

第11章 パラフィリアおよび性機能不全

第12章 物質関連および嗜癖性障害,および摂食障害

第13章 神経発達障害および神経認知障害

第14章 A群パーソナリティ障害:猜疑性,シゾイド/スキゾイド,統合失調型

第15章 B群パーソナリティ障害:境界性

第16章 B群パーソナリティ障害:自己愛性

第17章 B群パーソナリティ障害:反社会性

第18章 ヒステリーおよび演技性パーソナリティ障害

第19章 C群パーソナリティ障害:強迫性,回避性,依存性


あとがきに代えて

人名索引

事項索引

内容紹介(「BOOK」データベースより)

セクシュアル・マイノリティとは、同性愛、両性愛、性同一性障害など、典型的なセクシュアリティとは異なるセクシュアリティのあり方を示す人々のことをいう。セクシュアリティのありようが少数派であるがゆえに、偏見にさらされ、生きづらさを抱えることも多いため、セクシュアル・マイノリティの人たちの心理的支援へのニーズは、顕在化しにくいが多大にある。人口の数%程度を占めるといわれる彼・彼女らに、臨床の場においてもそうとは知らずに出会う可能性、もしくは出会っている可能性は大きい。多様なセクシュアリティを示す人々を理解し、受け止め、支えるための1冊。

目次(「BOOK」データベースより)

第1部 セクシュアル・マイノリティの基本概念と歴史(セクシュアリティの概念/レズビアン、ゲイ、バイセクシュアル支援のための基本知識/性のイメージー結合と分離 ほか)/第2部 セクシュアル・マイノリティへの心理的支援の実際(児童期・思春期のセクシュアル・マイノリティを支えるスクールカウンセリング/セクシュアル・マイノリティ大学生を支える学生相談/成人期から老年期のレズビアン、ゲイ、バイセクシュアルの課題 ほか)/第3部 心理職の訓練と果たすべき役割(心理職へのセクシュアル・マイノリティに関する教育・訓練/性同一性障害:心理職の果たす役割/心理職のセクシュアリティについての価値観がセラピーに及ぼす影響)

著者情報(「BOOK」データベースより)

針間克己(ハリマカツキ)
1990年東京大学医学部医学科卒業、1996年東京大学医学部大学院博士課程修了。医学博士。日本性科学学会理事。性同一性障害研究会理事。日本精神神経学会「性同一性障害に関する委員会」委員。The World Professional Association for Transgender Health(WPATH)会員。2008年、千代田区神田小川町3-24-1にて、はりまメンタルクリニック開院

平田俊明(ヒラタトシアキ)
1990年米国シアトル大学人文学部卒業(心理学専攻)、1991年上智大学外国語学部英語学科卒業、1999年千葉大学医学部医学科卒業、1999年神戸大学医学部精神神経科学講座入局、2002〜2010年淀川キリスト教病院精神神経科(附属クリニックこころの診療科)勤務、2006〜2010年京都文教大学臨床心理学部臨床心理学科専任講師を経て、九段心理臨床オフィスにて臨床心理士として勤務、しらかば診療所、はりまメンタルクリニック等にて精神科医(非常勤)として勤務(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

商品レビュー(3件)

総合評価
 4.50

ブックスのレビュー(1件)

  • 業務
    0678374
    評価 5.00 5.00
    投稿日:2014年12月08日

    自分が性同一性障害なので勉強のために買いました。
    私は性別変更をしていますが、色々な悩みがあったことは事実です。
    この本で勉強し、自分ながらのアドバイスができればと思っています。

    0人が参考になったと回答

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