購入者さん

評価 5.00

投稿日：2018年12月19日

最近、女性漫画家が描く女子アイドルグループもののマンガで優れた作品が評判を呼んでいるのですが、これはその一つ。もう一つは、牧野あおい『さよならミニスカート』ですが。あちらは真っ正面からの力押しで「メチャメチャ不穏・どこをどう見ても不穏」な世界観でアイドル業界の闇を描き、しかも性別を問わず大人も楽しめるレベルの作品を、なんと小学生女子向けの媒体で連載していて、それ自体が実に衝撃的でしたけれど。
こと不穏さにおいては、こちらも負けていません。「ほのぼの〜とした大都会岡山にふさわしい、ご当地アイドルグループ」を描いたという作品の見た目は、薄い表層に過ぎません。それを一枚めくっただけで、まったく違うものが見えてくる。女性作家がアイドルを描くと、なんでこんなに不穏なのでしょう。やはり女子アイドルグループは、時が過ぎれば消え失せるべき芸能者の「時分の花」を、見る者がそれと知った上で楽しむための存在だということなのでしょうか。
ああ、この作品でも、世界を支える歯車がたった一枚だけ、回るそのリズムを狂わせただけで、全てが終わってしまう。そのキリキリするような緊張感が、作品にリアリティを与えています。この平穏が、「えりぴよ」さん達とCham Jamメンバーの皆の幸せが、いつまでも続いて欲しい。そう願う我々読者の思いが叶えられないことは、この作品のスタート時点で、リーダー「れお」の年齢が22歳だと伝えられた時点で予告されているのです。彼女がアイドル業界の最前線で戦える年月は、武道館に皆を連れて行けるだけ残されているのでしょうか。そして、ChamJamが売れて、平和な「大都会岡山」から足を踏み出し、大阪にせよ東京にせよ、情け容赦ない真の大都会で彼女らを待ち受ける「芸能界の深淵」を前にしたときに、彼女らの身に何が起きるのでしょうか。
この巻で作者の平尾アウリさんは、我々読者に「その覚悟」を求める描写をいくつか盛り込んできました。いよいよです。稀に見る傑作だった本作第1巻にも増して、この巻では水面下に隠された不穏さとそれが生み出すヒリヒリ感が強くなってきています。登場人物達の平和な日々が、少しでも長く続くように願わずにはいられません。今から読み始めれば、まだ間に合います。一人でも多くの人に、彼女たちと生きる時間を共にする喜びを味わってもらいたいと思います。

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購入者さん

評価 5.00

投稿日：2018年08月09日

第4巻も安定のおもしろさ
実写化してほしい

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