【POD】日本人に合ったがん医療を求めて 医師、患者、家族の方々に一番伝えたいこと
水上治
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商品説明
内容紹介
衝撃的なデータがある。国立がんセンターなどの研究チームが10万人を20年追跡した調査によると、わが国ではがん診断後1年以内の自殺率が、がん罹患無しに比べて約24倍もあるというのだ。これは米国やスウェーデンの同様の数値が約3倍であることに鑑みても、あまりにも高い。半数以上が治るようになった病とはいえ、現在でも3人に1人が亡くなっており、がん=「死の病」のイメージはまだ強い。告知の仕方や周囲のサポート体制、治療に伴う社会環境の変化如何によっては、がん患者は「自らの死」に直面し抑鬱状態になっていってもおかしくないし、自殺に至るケースも出てくると想像される。そういうデリケートな心理状況にある患者に対し、わが国のがん医療は最善の配慮ができているだろうか。
日本の大病院では医師が多忙すぎ、患者に対するきめ細かい配慮ができなくなっていると聞く。毎日、大勢押しかける患者の診察を時間内に終えるためには、電子カルテやCT画像ばかり見て、ほとんど話もできない「3分診療」にならざるを得ず、時には配慮を欠いた余命宣告や患者の気持ちを傷つけるような言動がなされることもあるという。このことはまた、米国の医療モデルーー患者に感情移入することなく、医学的事実のみ冷静に伝え、すべての医療は患者の自己決定によってなされるべきという規範ーーをわが国の医療が見習っている影響も無視できないだろう。
本書では、がん告知までに踏むべきプロセス、余命宣告の是非、治療方針や取り得る選択肢の伝え方、患者の死と医師の役割、医学的予測の限界など、医師と患者の関係性の質が問われる問題について、長くがん患者を診てきた著者の経験にもとづき、率直な考えが語られる。また死を前にした患者との深い交流を語りながら、死を根絶することなどもとよりできない医療において、何が大事なことなのかを改めて問うていく。
そして、米国における新しい医療のモデル「シェアド・ディシジョン・メイキング(協働意思決定)」や医療者の視座で読んできた西田幾多郎の哲学を参照しながら、医師の権威による「パターナリズム」でもなく、インフォームドコンセントによる「患者の自己責任」でもない、医師と患者がともに心を開いて、協働で歩むがん医療を提案する。
【目次】
序 章 日本のがん医療の課題
第1章 がん告知と余命告知について
第2章 がん治療の選択について
第3章 がん患者の心理について
第4章 がんを抱えて生きるには 森田療法の視座
第5章 がん患者の死について
第6章 医師の役割とは
第7章 患者の命をどう見るか 医学と医療
第8章 医師と患者のあるべき関係とは
第9章 西田幾多郎の生命哲学に学ぶ
■【POD本】に関するご注意■
こちらの商品は【プリントオンデマンド版】となります。ご注文頂き次第順次印刷・納品となりますのでご了承下さい。
過去に取り扱っている商品があった場合、当時の商品と印刷の品質・価格が異なる場合がございます。あらかじめご了承下さい。
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