コロナ禍の今、BRAHMAN とILL-BOSSTINO(THA BLUE HERB) が再びペンを走らせ、音を刻み、
世界的コラージュ・アーティスト河村康輔によるアートワークで新たな幕開けを告げる
■2017年4月にリリースした『不倶戴天ーフグタイテンー』に収められた「ラストダンス」以来3年ぶりとなる再びのコラボレーションが実現。
「CLUSTER BLASTER」は90's的でヒリついたギターのヘヴィリフの上で、<ここは合衆国保護領 ようこそ 地獄決定行きだぜ お前等 税金泥棒>と
始まるILL-BOSSTINO のラップが牽引する、ストレートなミクスチャーナンバー。
途中でTOSHI-LOW がBOSS からバトンを受け取り、クリーンなコーラスをバックに<過去の過ちも未来の不安も見えないふりをしながら
誰のための社会が作り出されていくんだよ>といった嘆きや怒りを吐き出していく。
どのリリックも研ぎ澄まされている。どの瞬間も聴き逃がせない。言葉は丁寧に積み重ねられながらも、サウンドは生々しい。
瞬発力と技巧が溶け合ったレベル・ソングとなっている。
■続く「BACK TO LIFE」では一転し、<言いたい事を言い合った お互いの事を知ったから そんなこんなで空きっ腹
そろそろ皆で飯でも行かない?>というBOSS のラップで始まるレイドバックしたナンバー。ただ怒りをぶつけているばかりではない。
仲間同士で酒を飲み交わす時間もまたリアル。これは何も彼らだけに特別なことではなく、多くの人々が共有できる感覚のはず。
<フロウ><ラコス><幡ヶ谷駅前横断歩道><KO ちゃん>といった固有名詞の数々になぜだか心があたたまる。
こんなふうにして、2020 年、日本の片隅のリアルがこの10分強に凝縮されているのである。
■また今作では世界的コラージュ・アーティスト、グラフィック・デザイナーの河村康輔がアートディレクターを務めている。
「大友克洋GENGA 展」におけるメイン・ビジュアル制作など数多くのコラボレーションや、自身の個展開催を中心に活動し、
海外からも高い評価を受けている彼とBRAHMAN とBOSS ががっちりタッグを組み、ビジュアル面においてもこれまでにない展開を見せている。
世界中が混乱するなか、再び彼らのパンク・スピリット、ヒップホップ・アティチュードが世の中を導くメッセージとなり、
人々のこころに何かを投げかける。これは今だからこそ耳を傾けるべき楽曲だし、10年後20年後30年後……いや、100年後に今を振り返ったとき、
重要な歴史の証言のひとつとなるのである。