内容紹介（出版社より）

中部日本・日本語学研究会の30年に及ぶ活動を記念する論文集。急逝された本会の創設者、藤田保幸氏の遺稿並びに研究会参加メンバーによる日本語学の各分野（現代日本語・日本語史・方言等）の研究成果全26篇を収録。
はしがき

　第1部　
引用されたコトバの表意性の換喩的拡張　藤田保幸
モノダとコトダによる名詞述語文
　-発話、思考・感情を表す名詞の場合ー　丹羽哲也
間接疑問節と結びつく述語について　江口正　

　第2部　
近代におけるサセテモラウの発達
　-サ入れ言葉の出現と意志用法の伸長ー　山口響史
江戸語・東京語における逆接の接続詞
　-形式の推移と用法ー　宮内佐夜香
近世前期条件表現史における順接と逆接の非対称性について　矢島正浩
意志・推量形式の従属節への取り込み　北崎勇帆
主格助詞「が」の拡大と準体法の衰退　金銀珠
日本語文語文法現象十進分類番号表の試み　小田勝　

　第3部　
宜蘭クレオールの「自然環境語彙」について　真田信治
男鹿半島の風の語彙　久木田恵
四国地方におけるラ抜き言葉の方言分布と解釈　三宅俊浩
鹿児島方言史における準体助詞の発達　久保薗愛　

　第4部　
二葉亭四迷訳『あひゞき』における「難しい漢語」　揚妻祐樹
啓蒙書の外国語のカタカナ表記の扱い
　-『西国立志編』の割注を資料としてー　木村一
『日葡辞書』におけるオノマトペの捉え方
　-ABAB型の掲出傾向からー　深津周太
「バレト写本」におけるアセント符号について
　-長音に対応するアセント符号の諸相ー　千葉軒士
『今昔物語集』における語彙の文体差
　-人間・家族を表す名詞語彙を事例にー　田中牧郎
語の頻度列からみた古典作品の計量的分析
　-日本語歴史コーパスを利用してー　山崎誠
『土佐日記』の「よるあるき」
　-複合語の認定と書写態度ー　橋本行洋　

　第5部　
中古語における引用句「…と」の特殊用法　辻本桜介
仁都波迦点の創始と展開
　-憐昭から皇慶門流へー　宇都宮啓吾
平安鎌倉時代における「こひねがふ」の意味用法と位相
　-訓点語及び記録語と歌評用語ー　山本真吾
同一場面記事の比較を通してみた古記録の文体
　-気象災害記事の比較からー　後藤英次
近世前期開版倭玉篇の諸本に就いて
　-四百七十七部首系諸本ー　鈴木功眞
『一読三嘆　当世書生気質』の本文校訂と言語変化の問題
　-漢字表記語を中心にー　木村義之

中部日本・日本語学研究会記録
あとがき

内容紹介（「BOOK」データベースより）

日本語研究の最新の研究動向を映し出す。急逝された藤田保幸氏創設・運営による中部日本・日本語学研究会の３０年に及ぶ活動を記念する論文集である。故藤田氏の「言語がどう実現し、それはなぜそうあるのか」を徹底的に追究する姿勢に共鳴する研究者が、「今、何が面白いか」を論にし、世に問う。通時的、また共時的観点からの、文法、文体、語彙、表記、方言に資料と広範に及ぶ研究成果全２６篇を収め、会の活動記録を付す。

目次（「BOOK」データベースより）

第１部（引用されたコトバの表意性の換喩的拡張／モノダとコトダによる名詞述語文ー発話、思考・感情を表す名詞の場合　ほか）／第２部（近代におけるサセテモラウの発達ーサ入れ言葉の出現と意志用法の伸長／江戸語・東京語における逆接の接続詞ー形式の推移と用法　ほか）／第３部（宜蘭クレオールの「自然環境語彙」について／男鹿半島の風の語彙　ほか）／第４部（二葉亭四迷訳『あひゞき』における「難しい漢語」／啓蒙書の外国語のカタカナ表記の扱いー『西国立志編』の割注を資料として　ほか）／第５部（中古語における引用句「…と」の特殊用法／仁都波迦点の創始と展開ー憐昭から皇慶門流へ　ほか）