内容紹介（出版社より）

file.35のフィーチャーは「幻想の王国へ、ようこそ。」。
その幻想は、われわれを、見知らぬ別世界へといざなってくれるーー
各作家、たっぷりページを使い、大きな図版で掲載しています。

◎掲載作家
エセム万、網代幸介、塚本紗知子、松本ナオキ、ミルヨウコ、雛菜雛子、塚本穴骨、田中流（＋人形作家23人）、下山直紀、村上仁美、沖綾乃、ジュリエットの数学、すうひゃん。

ExtrARTは、ヴィジュアルをメインにした誌面構成で、既存のアートの価値観にとらわれず、個性的なアーティストや作品を紹介していく季刊誌です。
絵画、彫刻、写真から球体関節人形まで、毎号多彩な作家・作品を、それぞれたっぷりのページ数をとって紹介しています。
▼FEATURE：幻想の王国へ、ようこそ。
◎エセム万《絵画》
　〜極限まで試行錯誤を重ねて獲得した、模倣不可能なマチエール
　★目を閉じ脳内の意識で「視える」変幻する肉塊を写し取る
　／文・志賀信夫
◎網代幸介《絵画》
　〜想像の世界では、なりたい者になれるし、どこまでも行ける
　★人や幻獣、天使などが織りなす、ユーモアと不条理に満ちた異世界の王国
　／文・並木誠
◎塚本紗知子《絵画》
　〜足穂のいう「宇宙的郷愁」を絵にすることが一つの目標
　★異なる時間と空間を組み合わせて、絵画でしかできない世界を目指す
　／文・志賀信夫
◎松本ナオキ《彫刻》
　〜膠だけで溶いた日本画の顔料が、鉄の表面に体温を授ける
　★鉄だからこそ実現できる繊細さで生み出す、抽象化された動物たち
◎ミルヨウコ《絵画》
　〜謎に満ちたこの宇宙で、自分はどのような位置にあるか問い続ける
　★鋭い目をして力強く、少女は宇宙を冒険し続ける
◎雛菜雛子《絵画》
　〜ファンシーな王国で、少女の闇が照らし出される
　★暗く淀んだ闇に癒やしを感じる者へ向けて描き続ける
◎塚本穴骨《絵画》
　〜色彩のゆらめきの向こうに覗く淋しげな顔
　★かわいらしいキャラクラーの背後に隠された、悲しみや不条理
◎田中流×人形作家23人《写真・人形》
　〜田中流がセレクトした多彩な人形作家たち
　★ますます多様化していく人形表現を、分け隔てなく写真におさめ続ける
◎下山直紀《彫刻》
　〜動物であれ何であれ、作品は、自分を削ぎ落として作る「自刻像」だ
　★動物の造形美と品性にメッセージ性を加味させた、リアルでダイナミックな木彫彩色
　／文・志賀信夫
◎村上仁美《陶》×沖綾乃《絵画》
　〜日常の中でわれわれは、小さな死と誕生を堆積させていく
　★日常の営みの中に密やかに漂う、生と死の気配を紡ぎ出す
　／写真・田中流
◎ジュリエットの数学《絵画》
　〜色はますます薄くなり、絵そのものからして消え去ってしまいそう
　★ものに埋まれひとり遊戯に耽る、か弱く儚い少女
◎すうひゃん。《絵画》
　〜少々不思議な、神秘的とも言えるオーラをまとった子どもたち
　★子どもは、過去の記憶を蘇らせ未来へと導いてくれる

表紙及び目次背景／エセム万《DAUGHTER OF JANUS》
執筆者名を省略した記事／文・沙月樹京