内容紹介（「BOOK」データベースより）

六〇年代頃のマンガブーム以降、多くの人々に享受されるようになり、今や日本の大衆文化の代表格となったマンガ。その多岐にわたる題材は、その時々の社会情勢や人々の心理を常に映し出しだす鏡でもあったー。少年／少女／青年／成人あらゆるジャンルのマンガに精通し、日本文化としてのマンガの特性を深く追究した著者による、七〇〜八〇年代当時としてはきわめて前衛的な論考を収録。社会学者としてのマンガ文化社会論に、マンガ愛好家としてのマンガ作品・作家解説も加わった、これまでの作品集バックナンバーとはまた一風変わった一冊。

目次（「BOOK」データベースより）

１　マンガ文化（マンガ・メディア論／少年マンガ小史／青年文化としてのマンガ文化／劇画表現の構造と論理／原作者小論／劇画の変貌ー「巨人の星」と「あぶさん」のあいだ／いい女たちの肖像／少女マンガ管見ー一九七七年／成人女性コミックスの成立／コミック表現における「私」と「地域」／タフな被疎外者の肖像／子どもとマンガー「ドラえもん」人気をめぐって／断章Ｉ／断章ＩＩ）／２　現代マンガ論（パロディについてー東海林さだお「新漫画文学全集」／現代日本におけるホワイト・カラーの状態ー福地泡介「ドタコン」「ドボン氏」／地平線からの呼び声ー園山俊二「ギャートルズ」／日常生活の思想ー長谷川町子「サザエさん」／好色・ナンセンス・反権力ー黒鉄ヒロシ小論／政治マンガの第三の領域ーはらたいら「ゲバゲバ時評」など／追跡譚ー篠原とおる「さそり」、さいとう・たかを「ゴルゴ１３」／父親についてー古谷三敏「ダメおやじ」、小池一雄・小島剛タ「子連れ狼」／男と女ー上村一夫「狂人関係」／三つのエッセイーつげ義春の世界（拒否と孤独ーつげ義春論・序説、現代の貧しい生ー「ねじ式」、仮面の思想ー「ゲンセンカン主人」）／憎悪についてー楳図かずお「おろち」／劣等感と自尊心ー「赤い靴」と「ゲゲゲの鬼太郎」／巨人伝説の崩壊と再建ーわれらの怪獣はどこにゆくのか／附章　マンガ文化の社会学的考察）／３　遊びの社会学（少年マンガにおける想像力の問題ー楳図かずお「漂流教室」を素材として／「ゴルゴ１３」はどう制作されているかーさいとう・プロダクション小論／少年マンガの魅力ーひとりの愛好者の微視的感想）