内容紹介（出版社より）

加齢関連疾患の治療標的としても注目を集める細胞老化．本書では細胞老化のメカニズムや多様な側面を持つ老化細胞の臓器や疾患における役割，セノリティクスの課題について慎重かつ丁寧に紹介します．
【目次】
序にかえて 細胞老化研究の転換点：慎重な研究のすゝめ

第1章 細胞機能と細胞老化
1．ミトコンドリア恒常性維持と細胞老化
2．細胞膜損傷による細胞老化
3．免疫系を介した細胞老化と腸内細菌叢のクロストーク
4．細胞老化におけるレトロトランスポゾンの役割
5．細胞老化におけるオートファジーの制御と役割

第2章 DNA傷害と細胞老化
1．細胞老化におけるストレス応答シグナル伝達
2．細胞老化におけるSASP制御機構
3．細胞老化の機能と多様性
4．多倍体化と細胞老化との関わり
5．DNA二本鎖切断と細胞老化

第3章 タンパク質恒常性や新規モダリティーと細胞老化
1．細胞老化・個体老化研究におけるプロテオミクス解析
2．老化細胞におけるタンパク質分解
3．セノリティック薬の可能性と問題点
4．生体レジリエンスの老化変容とセノセラピーによるその修復

第4章 幹細胞・リプログラミングと細胞老化
1．皮膚老化における細胞老化とステムセルエイジング
2．p16INK4a高発現細胞のトレーシングおよび除去が可能な遺伝子改変マウスモデルについて
3．発がん過程における細胞老化様反応とエピゲノム制御

第5章 臓器障害と細胞老化
1．心臓と細胞老化
2．肥満に伴う肝がんにおける細胞老化の関与ーがん微小環境のsenescent CAFによるがん進展
3．慢性呼吸器疾患と細胞老化ー老化細胞を標的とした治療戦略の可能性
4．T細胞老化と加齢関連疾患
5．免疫チェックポイントの加齢変化とチェックポイント阻害
6．慢性腎臓病進展における三次リンパ組織の役割
7．高齢者の歯周病と細胞老化

第6章 モデル動物・疾患と細胞老化
1．ショウジョウバエにおける細胞老化
2．小型魚類解析で見えてきた細胞老化の新たな機能と制御
3．早老症を介した抗老化・若返り研究 〜老化モデルがジェロサイエンスの未来を切り拓く
4．最長寿齧歯類ハダカデバネズミの細胞老化制御機構
5．神経変性疾患と細胞老化

索引