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くまとやまねこ
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くまとやまねこ
湯本 香樹実

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1,430(税込)送料無料

商品情報

商品説明

内容紹介(情報提供:絵本ナビ)



ある朝、なかよしのことりが死んでしまって・・・。物語はちょっとショッキングな出来事で始まります。くまは泣きながら木箱を作り、花をしきつめ、ことりをそっといれます。大事なものを失くしてしまう、という感覚は、誰の身にも起こりうる事だけど、その心の痛みを代わってあげるということは決してできません。例え、それが小さな心の持ち主であろうと。くまが箱の中のことりを見せる度に、周りの動物達はとまどう。そして忘れて乗り越えるように諭します。このやりとりには、心を締め付けられるようです。でも、ここで話は終わりません。ある日、くまは外がいいお天気なのに気がつくのです!そして、小さいけれど大切な出会いをしていくのです。心の再生に合わせるかのように、景色にも色がついていき・・・。テーマは大きくても、子ども達に向けて優しく描かれている「死」についてのお話です。酒井駒子さんの心のこもった絵と合わさると、読み終えた後、音楽を聴き終わった様な、静かな感動を覚えます。絵本を通して、「時間と音楽」が、こんなに尊くて素晴らしいものだと気がつかせてくれます。こんな体験はなかなか出来ないと思います。湯本香樹実さんと酒井駒子さんの夢のコラボレーションです。
(絵本ナビ編集長 磯崎園子)


大好きな酒井駒子さんの絵。
でも、この絵本はあまり読みたくありませんでした。
子どもが生まれて、決して失いたくないものができたおかげで強くなったけれど、弱くもなりました。
大切な人を失ったら、どうしたらいいのだろう。
だから、私はシリアスな絵本はあまり近づけなかったのです。

それが、東日本大震災が起きて、いろいろな戸惑いを経て、少し気持ちが変わり、読んでみました。

くまが失ったことりを箱に入れて持ち歩く描写は、その美しさゆえに余計に読んでいてつらいものでした。
学生の時読んだ、キューブラー・ロスの死ぬ瞬間(死を迎える人は否認と孤立→怒り→取り引き→抑鬱→受容という気持ちの流れがある、といった内容)を思い出したりもして。

くまが悲しみを受け入れられたのは、なぜだったのでしょう。
なにがあっても流れていく時間、晴れた空、同じ悲しみを受け入れたやまねこの優しさ、音楽、ことりとの輝いていた思い出が消えないことに気付いたから、でしょうか。
死が悲しいのは、それだけ生が素晴らしかった証拠なのですね。

重いテーマを湯本香樹美さんが優しく丁寧な物語を紡ぎだし、
酒井駒子さんが、生と死に通じるような、光と影を感じる黒っぽい絵で描きだしています。そして、少しずつ色づく印象的な赤。
大人のための絵本の名作だと思います。(ランタナさん 30代・埼玉県 男の子8歳、男の子5歳)

【情報提供・絵本ナビ】

内容紹介(「BOOK」データベースより)

突然、最愛の友だち・ことりをなくしてしまった、くま。くらくしめきった部屋に、ひとり閉じこもっていたくまが、やがて見つけた、あたらしい時のかがやき。感動の絵本。

著者情報(「BOOK」データベースより)

湯本香樹実(ユモトカズミ)
1959年東京都生まれ。東京音楽大学音楽学部卒業。小説『夏の庭ーThe Friends-』で日本児童文学者協会新人賞、児童文芸新人賞を受賞。同作品は十ヵ国以上で翻訳され、ボストン・グローブ=ホーン・ブック賞、ミルドレッド・バチェルダー賞などを受賞。絵本の翻訳も手がける

酒井駒子(サカイコマコ)
1966年兵庫県生まれ。東京芸術大学美術学部卒業。2004年『きつねのかみさま』(作:あまんきみこ)で日本絵本賞、2005年『金曜日の砂糖ちゃん』でブラティスラヴァ世界絵本原画展金牌、2006年『ぼくおかあさんのこと…』でフランスでPITCHOU賞、オランダでZilveren Griffel賞(銀の石筆賞)を受賞。本の装画・挿絵でも活躍する(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

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商品レビュー(270件)

総合評価
 4.61

ブックスのレビュー(95件)

  • 購入者さん
    評価 5.00 5.00
    投稿日:2009年02月22日

    最近ペットを亡くしました。
    ぜひ、あたしに読んでほしいと、
    こちらの本を、紹介されました。
    自分は、元気なつもりで居ても、
    人からみると、無理してるような感じを
    うけさせていたのかも・・・
    無理はしないけど、執着してもいけないと、
    思いました。
    この絵本のクマさんは、今の私そのものでした。
    絵が優しくて、暖かく、そして寂しい・・・
    はじめは、号泣しました。
    2回目は、少し泣きました。
    次はどうだろう・・
    忘れることは、けっしてその子を忘れることでは、
    無く、
    悲しみを忘れることだと、気が付きました。
    自ら悲しみに入り込もうとしている私への、
    扉を開けてくれる、なんらかのきっかけを、くれた本だと
    思います。

    9人が参考になったと回答

  • ケニュウ
    評価 5.00 5.00
    投稿日:2009年04月18日

    中盤から突然スイッチが入り号泣していました。酒井さんの絵ってどうしてこんなに心の深い場所にとどくんだろう…

    3人が参考になったと回答

  • mamamamamamoma
    評価 5.00 5.00
    投稿日:2009年03月29日

    日常の中に普通に在るもの、あたりまえに日々繰り返されるもの。喪われた時はじめて、どれほど大切な存在だったかがわかる。一緒に過ごした時間がどんなに大事だったかがわかる。あらたな今・現在を一緒に過ごすことが出来ない悲しさ。取り戻すことが出来ない過去になった時間、時間と一緒に立ち止まってしまった主人公。そんな主人公に、春の光と新しい出会いが、新たな時間を歩み始めさせる。喪われたはずの過去は、美しい思い出となって主人公の世界に戻ってくる。
    どなたかがレビューで物語は「普遍的なもの」と書かれていましたが、まさにその通りだと思います。普遍的な喪失と再生の物語を「ことり」と「くま」と「やまねこ」の出てくる絵本の形で描いたのがこの作品です。大人向きの絵本という評価も多いように思いますが、繊細な絵とストーリーは感受性の高い子供に十分受け入れられるはずです。

    2人が参考になったと回答

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