セラフィーム

評価 5.00

投稿日：2012年08月13日

このシリーズは、どちらかと言えばかなりの水木しげる作品をある程度蒐集してきた段階の方でない限り、即座にお勧めは出来ないかもしれない。
確かに、ストーリー展開・演出など古い物であれば到底昭和36年から先に書かれたような作品とは思えず、さらに驚嘆に値するのはこの頃の貸本時代の作本はアシスタント等皆無で、水木しげる氏がほぼ単独で作成された作品群だという所などは刮目に値はするのであるが。。。（伝記でも書かれておられましたが、この当時はここまで描いていても極貧状態だったのがにわかには信じられないｗ）
さて、初心者にお勧めできない点としての個人的な見解は、矢張り絵のタッチの面であろう。
氏は量産を好まなかったという逸話は有名であるが、それでもアシスタントを揃えて作成されていた雑誌時代の作品とは流石に緻密さは欠けてしまうと言わざるを得ない。また、キャラとしてはその後の雛形になるような登場人物が出てきて思わずほくそ笑んだりしてしまうかもしれないが、主に商業誌で妖怪を描き出したときの繊細な点画はまだこの段階ではみられない。
さらに付け加えると、実は氏の作品はその後の短編集などの中で、この貸本時期のストーリーの焼き回しを結構行っていることに気がつく。この書の中では、「手袋の怪」「鉛」「陸ピラニア」などであろうか？？？
そういった視点からも、先にオリジナル版を読んでリメイクという楽しみ方も否定しないが、矢張り先に読みやすい作品をぼちぼち読んでいき、ある程度蒐集が終わった段階でこの書に手を出した方が、何だかより楽しめる気がしてならない。
ちなみに、サブタイトルにもなっている、「墓をほる男」は貸本時代の氏の代表作なので、水木ファンと称されるならばこのタイトルのみでもいつかは一読して欲しい気がする。
尚、巻末解説は京極夏彦氏。 貸本時代の料金形態についての解説は非常に勉強させて頂いたが、作品全般をべた褒めしている姿勢は些か食傷気味の感じがした。

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うにこ537

評価 5.00

投稿日：2010年12月27日

「墓をほる男」は秀逸！
他の作品も面白いです。
是非ご一読下さい。

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