内容紹介（出版社より）

戦前と戦後を貫く昭和期という時代と、朝鮮・台湾・満蒙・対馬・北海道・沖縄・東京などの固有の場所を題材に、〈帝国〉日本の植民地へのまなざし＝視角と見落とされてきたこと＝死角とを明らかにして、メディアや学知と「帝国」の関係性をあぶり出す。
はじめに　坂野 徹／愼蒼健
　1　「帝国の視角／死角」とは何か
　2　本書の全体像

第1章　植民地衛生学に包摂されない朝鮮人ーー一九三〇年代朝鮮社会の「謎」から　愼蒼健
　1　「謎」の発見と放置
　2　「謎」の科学的排除
　3　「謎」の解明と限界

第2章　大日本帝国の形質人類学を問い直すーー清野謙次の日本民族混血論　アルノ・ナンタ
　1　東京人類学会の人種交代説
　2　混血論という妥協（一九二四ー三二年）
　3　『日本原人の研究』と「歴史的種族」
　4　考古学から歴史学と優生学の支持へ
　5　太平洋戦争期の清野論ーー民族至上主義か理論的総合か

第3章　智城の事情ーー近代日本仏教と植民地朝鮮人類学　菊地 暁
　1　宗教人類学の形成
　2　朝鮮・満蒙の巫俗調査
　3　宗教の苦境と智城の事情

第4章　人類学者・泉靖一の〈戦後〉経験ーー朝鮮戦争・在日・済州島　坂野 徹
　1　戦場の隣でーー対馬調査
　2　在日朝鮮人運動と人類学ーー東京での済州島人調査
　3　「社会的緊張」と朝鮮人嫌悪ーー東京小市民の人種偏見調査

第5章　沖縄の地誌研究ーー占領期アメリカ人類学の再検討から　泉水英計
　1　アメリカ人類学の沖縄研究
　2　日本における沖縄研究
　3　占領軍と研究者

第6章　小津安二郎と帝国史の方法ーーひとつの（反）ポストコロニアル批評　與那覇 潤
　1　天津から戻った男ーー『戸田家の兄妹』『風の中の牝鶏』『晩春』
　2　大連に恋は消えぬーー『宗方姉妹』
　3　京城は海のかなたにーー『東京暮色』

第7章　「戦後」台湾での日本映画見本市ーー一九六〇年の熱狂と批判　三澤真美恵
　1　日華両政府にとっての「日本映画見本市」
　2　日本映画見本市に対する批判
　3　日本映画人気の背景

第8章　「記憶の場」のエージェントーー「アイヌ研究住職」と人文神オキクルミの〈昭和史〉　木名瀬高嗣
　1　トリックスター・林舜祥
　2　〈オキクルミ＝義経〉説と「ハヨピラ」
　3　義経神社・平村ペンリウク・「頌徳碑」
　4　法華のトゥスクル
　5　「蝦夷始祖オキクルミカムイ」像
　6　白亜の「ピラミッド」

あとがき　坂野 徹

内容紹介（「BOOK」データベースより）

戦前と戦後を貫く昭和期という時代と、朝鮮・台湾・満蒙・対馬・北海道・沖縄・東京などの固有の場所を題材に、“帝国”日本の植民地へのまなざし＝視角と見落とされてきたこと＝死角とを明らかにして、メディアや学知と「帝国」の関係性をあぶり出す。

目次（「BOOK」データベースより）

第１章　植民地衛生学に包摂されない朝鮮人ー一九三〇年代朝鮮社会の『謎』から／第２章　大日本帝国の形質人類学を問い直すー清野謙次の日本民族混血論／第３章　智城の事情ー近代日本仏教と植民地朝鮮人類学／第４章　人類学者・泉靖一の“戦後”経験ー朝鮮戦争・在日・済州島／第５章　沖縄の地誌研究ー占領期アメリカ人類学の再検討から／第６章　小津安二郎と帝国史の方法ーひとつの（反）ポストコロニアル批評／第７章　「戦後」台湾での日本映画見本市ー一九六〇年の熱狂と批判／第８章　「記憶の場」のエージェントー「アイヌ研究住職」と人文神オキクルミの“昭和史”

著者情報（「BOOK」データベースより）

坂野徹（サカノトオル）
日本大学経済学部教授。専攻は科学史、人類学史

愼蒼健（シンチャンゴン）
東京理科大学工学部第一部准教授。専攻は科学史、朝鮮近代医学史（本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです）