商品説明
内容紹介
山奥で、顔を潰され、歯を抜かれ、手首から先を切り落とされた死体が発見された。事件報道後、警察署に小学生が訪れ、死体は「自分のお父さんかもしれない」と言う。彼の父親は十年前に失踪し、失踪宣告を受けていた。無関係に見えた出来事が絡み合い、現在と過去を飲み込んで、事件は思いがけない方向へ膨らみ始める。
商品レビュー(468件)
- 総合評価
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3.67
楽天Koboのレビュー(1件)
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失われた貌
- 坂枝圭
- 投稿日:2026年03月27日
短編集「エリ沢泉」シリーズで知られる作者の新作は,長編警察ミステリの傑作.
6月29日,J県媛上市の山奥で発見された死体は顔を潰され,歯を抜かれ,手首を切り落とされていた.捜査が行き詰まった時,隣の駒根市で発生した殺人事件との関連が浮上する.さらに十年前の失踪や,警察に対する苦情記事なども絡んで,事件は予想外の方向へ進展する.
死体発見から解決までの7日間とその翌日.日付を冠した8章で構成し,表記は日野雪彦捜査係長の三人称視点.
人物造形が良い.4月に媛上署に異動したばかりの日野は,枝道を推理するとみせかけて,こっちが本筋だったりと,なかなかの名探偵だ.有能な部下の入江巡査部長は私立探偵に憧れている.日野の家族,警察学校同期の羽幌課長,駒根署の柿本主任など,脇役陣は個性豊か.〈ブールバード〉マスターがハードボイルドしている.「エリ沢泉」を基調にハードボイルドを描けばこうなるんだ.
トリックの多くは見当が付きやすくて,ツイスト連発も驚きが少なかったが,時間的・空間的構想が端正でバランスが良い.伏線を一つ残らず回収する手腕は見事.表題も良い.日野の名探偵ぶりの起源を描いておらず,続編があるだろう.0人が参考になったと回答


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