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商品説明
人間魚雷「回天」。発射と同時に死を約束される極秘作戦が、第二次世界大戦の終戦前に展開されていた。ヒジの故障のために、期待された大学野球を棒に振った甲子園優勝投手・並木浩二は、なぜ、みずから回天への搭乗を決意したのか。命の重みとは、青春の哀しみとはーー。ベストセラー作家が描く戦争青春小説。
商品レビュー(261件)
- 総合評価
3.99
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泣けた。のめりこんだ。
- eggy2020
- 投稿日:2015年05月25日
少しだけ長い通勤電車の往復で一気に読んだ。やはり横山秀夫はいい。簡潔な表現、計算された構成、登場人物一人ひとりの丁寧な描写。 僕の中の横山秀夫作品の最高傑作。 魔球を完成させた並木はなぜ回天訓練艇で自殺をしてしまうのか。「出口のない」のは海だけではなく、時代でありそこに翻弄された並木たちだったのか。だからこそ魔球を完成した(と信じることで)並木の人生は完結してしまったのではないか。 終盤、電車内だったのに、50歳のオッサンは不覚にも涙してしまった。もう一度読みたい。
2人が参考になったと回答
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切ないですね
- 購入者さん
- 投稿日:2017年04月01日
横山氏の作品はたくさん読んでいますが、いつもと違う内容に読み始めは少しとまどいました。
江田島の参考館や阿見の予科練平和記念館を訪れた事がありますが、そこで両親や家族への遺言を目にすることはあっても、恋人への遺言は公開されることはなかったと記憶しています。
本編を読み終え、勇ましさや感謝だけの遺言より、死への恐怖や弱音も含めた本音の遺言も数多くあったのだろうなと感じました。
そんな時代だったのだとはいえ、本当に悲しく切ない過去ですね。0人が参考になったと回答
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人間魚雷
- 講人昔さん
- 投稿日:2016年09月28日
「出口のない海」とは,生きて帰れない海の特攻兵器,人間魚雷「回天」のこと。ネタバレになるおそれがあるので内容は書きませんが,文体は読みにくくもなく,ストーリーもいいです。
聞くところによると,同名の映画は散々な仕上がりだったそうですが,こちらの本は十分に味わえる作品です。0人が参考になったと回答