内容紹介

（概要）

※この商品は固定レイアウトで作成されており，タブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また，文字列のハイライトや検索，辞書の参照，引用などの機能が使用できません。※PDF版をご希望の方は Gihyo Disital Publishing ( https://gihyo.jp/mk/dp/ebook/2020/978-4-297-11244-8 )も合わせてご覧ください。

本書は，リース業界に入社したばかりの新人や採用を目指す学生，リース業界と関わりを持つパートナー企業やクライアントを対象に，リース業界の儲けの仕組みと業界の全体像，具体的な仕事の内容を1冊にまとめた書籍です。リースというと，一般には複合機のようなオフィス機器が思い浮かびますが，実は，建設機器や飛行機，医療機器など，幅広い業種を対象にリース業務は行われています。顧客に資金を貸す代わりに，物件を購入してそれを貸し出すリースのビジネスモデルは，いわば一種の金融業であるともいえます。こうしたリース業界は，現在，激変のときを迎えています。リース取引に対する会計基準が変更され，これまで資産としてみられなかった船舶，飛行機，倉庫などにも，バランスシートへの記載が義務づけられようとしているのです。そうなれば，リースの会計上のメリット，事務効率のメリットが薄れ，業界に大きな損失を生む可能性があります。本書は，いろいろな意味で注目を集めるリース業界の現在と将来を，1冊で見通せる教科書です。

（こんな方におすすめ）

・リース業界の新人／リース業界のパートナー企業／リース業界を志望する大学生

（目次）

Chapter 1 リース業界の最新動向

　　01　国際会計基準の変更とリース業界

　　02　時価会計と取得原価主義会計

　　03　リースは欧米では金融業　日本ではサービス業

　　04　グローバル化と会計基準

　　05　中小企業の会計処理

　　06　ファイナンス・リース離れの本当の理由

　　07　会計基準が変わるとリースはどうなるのか？

　　COLUMN 1　銀行本体がリース業務に進出

Chapter 2 リースの基本

　　01　あらゆる業界が関わるリースの仕組み

　　02　ファイナンス・リースとオペレーティング・リース

　　03　リースとレンタルの違いとは？

　　04　アメリカから始まったリースの歴史

　　05　リースは金融サービスの1つとして発展した

　　06　日本経済の高度成長を支えたリース業界

　　07　リースバックという仕組み

　　08　リースに向く物件，向かない物件

　　09　リース導入のメリット１資金繰りの改善

　　10　リース導入のメリット２事務手続きが簡素化できる

　　11　リース導入のメリット３設備の廃棄が簡便に

　　COLUMN 2　リースのデメリット

Chapter 3 リースのビジネスモデル

　　01　リース会社の収益源は手数料

　　02　リース料の内訳

　　03　リースの申し込みから終了までの流れ

　　04　無担保で契約するリース会社の与信管理力

　　05　リース料返済が滞った場合

　　06　修理の責任者はサプライヤー

　　07　連帯保証でリスクヘッジ

　　08　再リースと契約終了

　　09　リース期間終了後のモノの流れ

　　10　助成金をうまく活用する

　　11　多様化する資金調達の方法

　　COLUMN 3　リース物件にかけられる「動産保険」

Chapter 4 リースが利用される業界

　　01　リースが利用されている場

　　02　リースのイメージを定着させたオフィス機器業界

　　03　必要な時だけ建機を使う建設業界

　　04　リースの歴史を作ってきた製造業

　　05　航空機リースはオペレーティング・リースの主役

　　06　リース無しでは成り立たない医療業界

　　07　プロジェクト全体をリースにする再生可能エネルギー事業

　　08　コスト削減の効果を狙う官公庁リース

　　09　メンテナンス・リースが魅力の運輸業界

　　10　海外リース会社のM&Aで強みを強化

　　COLUMN 4　サブリースは怖いのか？

Chapter 5 リース業界から生まれたサービス

　　01　顧客との長期的な関係から多彩なビジネスが生まれる

　　02　リース＋αで社会価値を作る

　　03　フィンテックへの取り組み

　　04　期待の大きい省エネ施設（ESCO）事業

　　05　集金代行サービス

　　06　早期資金化サービス

　　07　リースと相性がいいPFI

　　08　海外展開をサポートする国際販売金融

　　09　リユース・リサイクルのノウハウがビジネスに

　　10　レンタルで広がるロボット派遣

　　COLUMN 5　AI（人工知能）とリース業界

Chapter 6 リース会社の仕事と組織

　　01　リース会社の仕事１エリア営業

　　02　リース会社の仕事２専門営業

　　03　リース会社の仕事３サプライヤー営業

　　04　リース会社の仕事４海外営業

　　05　リース会社の仕事５審査部

　　06　リース会社の仕事６広報部

　　07　リース会社の仕事７財務部

　　08　リース会社の仕事８法務部

　　09　リース会社の仕事９経営企画室

　　10　リース会社の組織と協力体制

　　COLUMN 6　就活と配属の間にあるギャップ

Chapter 7 リース業界地図

　　01　数字で見るリース業界

　　02　民間設備投資に占めるリース設備投資額の変化

　　03　リース会社のルーツとは？

　　04　メーカーをルーツとするリース会社

　　05　金融機関をルーツとするリース会社

　　06　商社などをルーツとするリース会社

　　07　脱リースの動きと本当の狙い

　　08　オリックスの金融関連事業は2割だけ

　　09　地方銀行によるリース事業の可能性

　　10　ユーザーに支持されるオートリース

　　11　リース業界の再編成

　　COLUMN 7　銀行の再編とリース会社との関係

Chapter 8 リースに関連する法律・会計

　　01　銀行法とリース

　　02　減価償却とリース期間

　　03　オンバランスとオフバランス

　　04　4種類ある会計基準

　　05　リースのオンバランス化が進む？

　　06　リースに関連したその他の法律

　　COLUMN 8　リース会計基準は誰が作るのか？

Chapter 9　リース業界で求められる知識・スキル

　　01　会計知識

　　02　税務知識

　　03　法律知識

　　04　不動産知識

　　05　ファイナンスの知識

　　06　コンサルティング・スキル

　　07　担当業界に関する知識

　　08　資産管理の知識

　　09　海外進出のスキル

　　10　動産保険の知識

　　COLUMN 9　資格は転職や就職に有利か？

Chapter 10 リース業界の課題と展望

　　01　リース業界の今後の課題

　　02　リース業界が狙う4大市場

　　03　新興国におけるリースの可能性

　　04　メンテナンス・リースへの期待

　　05　個人リースの可能性

　　06　貸し出し方法の多様化

　　07　リース業界のこれから