商品説明
内容紹介
生老病死をありのままに受けとめ、
幸せに満たされて生きる。
あらゆる存在は他者と相互に関係し合い、つながり合っている。
つながりが実感できれば、不安はなくなり幸福になるー
慈悲のまなざしで人々の一生を見つめ、
手を差し伸べてきた看取りの医師による
科学と仏教に見出した幸福の法則。
【本文より】
◆仏教は安心できる教え
宗教のもっとも根本的な働きは安心させることでしょう。安心とは、生老病死の人生の中で、つながりの感覚を作っていくことです。
実はわたしたちのつながりの感覚というのは、もともと持っているものではなく、学ばれていくものです。学ばれて、だんだん失われていく。これが生老病死でもっとも大変なところです。
ブッダが言ったのは「生きることは苦である」ということであり、「その苦から解放されるためには、苦自身の中にあれ」ということでした。つまり生老病死という苦から逃げるのではなくて、それ自体を受容できるよう自分自身が変容せよ、と言っています。非常にはっきりしています。
わたしは科学を言葉によって理解していますが、実際には坐禅をすることを通じても、自分は宇宙の中の星の子だということを無分別知的に納得し、了解しています。
銀河系宇宙となりて坐りおり
看取り医として、わたしが仏教に親和性を感じているのは、科学者の端くれとして見ている宇宙像と、人間像と、意識、無意識、そういうものを仏教はすべて包摂しているからです。
ニュートン力学の時代、ものごとは離れていて、それがぶつかったり離れたりするというような考え方でした。ものごとを観測するときにも、ニュートンやデカルトは対象と観測する自分を分けて考えていました。
ところが量子力学になって、宇宙というのは全部つながっていることがわかりました。宇宙全体が相互に結びついている、相互浸透していることがわかったのです。
これは仏教の相依相関とまったく同じです。
だからアインシュタインも「仏教は自分の考えることと合っている」と言ったのでしょう。その気持ちは理解できます。
わたしにとっても、仏教は安心を与えてくれる「心の科学」なのです。
【本書の内容(目次より抜粋)】
第一章 看取りの医師として
・患者と関わり、手を差し伸べるということ
・認知症であっても意思決定できる
・幸せな高齢者とは?
・病気を持っていても健康、健康でも病気
・死と向き合うこと
第二章 科学と仏教
・仏教的存在論
・西洋哲学の思想について
第三章 神との合一
・母と祈り
・薬害エイズ問題と祈り
第四章 日本の仏教は生きている人の力になれるのか
・仏教理解
・日本仏教と民衆のつながり
・アメリカ仏教
・葬式仏教から生活仏教へ
第五章 仏教とつながり
・宗教と宇宙
・つながりと安心
・心の働きと宗教
第六章 精進の果てに
・入院と、不思議な世界体験
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