商品説明
内容紹介
何年か前に医学部の入試で意図的に女子受験生の成績を低く評価し,男子受験生にとって有利な条件で選抜を行っていたということが明るみに出て大きな社会問題となったが,これは「医学教育を受けて医師という職業を選択する権利は男女平等である」という社会通念が,今日では一般的な常識になっているということを示している.
しかし,洋の東西を問わず,女性が医師になる道は長い間閉ざされたままであった.近代市民社会が女性医師の教育・育成を受け入れるようになったのは,19世紀末になってからのことであり,各国で女性の公認医師が誕生したのは幾多の志高く極めて有能かつ勇敢な女性たちの不屈の行動力によるものである.彼女たちの1人でも欠けていたら,近代社会における女性医師の誕生はずっと遅れていたと思われ,彼女たちが勇気を出して主張し,行動したからこそ今日の「女性が医学教育を受けるのは特別なことではない」という社会常識が確立し,女性に対して不当なハンディキャップを強いた入学選抜試験が社会問題となったのである.
筆者は四半世紀にわたり女子学生の医学教育に携わってきたが,本書で取り上げた女性医師の開拓者たちを「Women Trail Blazers in Medicine」と呼び,ギリシア神話で「史上最古の女性医師」といわれるヒュゲイア以降,西洋およびわが国において,医学教育を受けて公認医師となる道を切り拓いた女性医師たちの魅力的なエピソードを紹介すると同時に,独自の考察により古代から現代に至る女性医師の系譜を繙いている.
【本書に登場する主な女性医師】 ヒュゲイア,アグノディケー,アレッサンドラ・ジリアーニ,ビンゲンのヒルデガルト,ドロテア・エアクスレーベン,シャルロッテ・フォン ジーボルト,野中婉,森崎保佑,松岡小鶴,榎本住,楠本イネ,高場乱,エリザベス・ブラックウェル,マリーザクルゼウスカ,エリザベス・ギャレット=アンダーソン,メアリー・パトナム,マドレーヌ・ブレ,ソフィア・ジェクス=ブレイク,ブランシュ・エドワーズ=ピリエ,オーギュスタ・デジェリヌ=クルムケ,荻野吟子,生澤クノ,高橋瑞子,本多銓子,岡見京子 ほか多数
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