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内容紹介
時間どろぼうと、ぬすまれた時間を人間にとりかえしてくれた女の子モモのふしぎな物語。人間本来の生き方を忘れてしまっている現代の人々に〈時間〉の真の意味を問う、エンデの名作。
商品レビュー(1,107件)
- 総合評価
- 4.42
-
(無題)
- ぼりのーくま
- 投稿日:2021年03月20日
世界的に有名なファンタジー児童文学、ミヒャエル・エンデ作『モモ』。
21歳頃に読み大きな影響を受けましたが細かい内容は忘れているので電子書籍で購入し読み直しました。
短いあとがきがまたいいんですよねー♪
本書は2005年に同じ翻訳者によって若干の訂正が加えられたバージョンのようです。
主人公モモがどんな女の子なのかは分かっているので人物紹介的内容(特に子どもたちとの空想ごっこ遊びのくだり)は軽く流し読みしましたが、それ以外はしっかりと読みました。
外国語の翻訳なので言い回しが独特ですし、一応子ども向けなのでひらがなが多くて読みにくい面もありますが、内容はやはり引き込まれますね。
灰色の男たちがどんな手を使って人々の心に入り込み焦燥感を煽って時間を奪っていくのか、また時間を奪われたとは気づかずに人々は無駄な(と思われる)時間を節約していくわけですが、そうすると人はどのように変化していくのか、なんていう部分は読んでいて怖くなりますね。その節約した「無駄な」時間こそが人が人らしく心豊かに過ごすために必要なそして重要な時間ですからね。まあ「無駄」かどうかはあくまで個人の価値観ですけどね。
最後、灰色の男たちがどうなるのか、結末を知っていてもハラハラドキドキしながら読めました。
お話が面白いのはやっぱり登場人物が魅力的だからですよね。登場人物が友だちを思ってそれぞれどんな行動をとっているのか、どう考えているのか、ここもそれぞれグッときます。表面的なものではない真の友情・愛情とはどういうものかが分かるから。友情には年齢差は関係ありません。ベッポには最後まで泣かされますー。
私はモモのような人になりたかったので灰色の男たちには負けないように生きてきたつもりですが、価値観はあくまで人それぞれだと思ってます。自分に与えられた限られた時間をどう使うか、と○ーるエンジンにイライラしながら過ごすのか、それとも友のため愛する人のために使うのか、それはまったく個人の自由だと思ってます。
ちなみに昔、原作を読んだあとで映画化された実写版モモも観ましたが、端折り過ぎていて原作の良さを表現しきれていないように感じ全然楽しめなかった記憶があります。
現代の技術で、端折らずに再映画化して欲しいものです。19人が参考になったと回答